Anti-anti-住基ネット。
みく経由で,住基ネット不要論なる記事を見かけた。要点を並べると,こんな感じだ。
- 横浜市で,住基カードを作りに行ったのは,人口の1.3%と少ない。他の市区町村でも,普及率は悪い。
- 横浜市は住基ネットの運用に否定的で,積極的なPRをしてこなかった。
- 住基ネットにはセキュリティ面の不安,個人情報漏洩の恐れがある。
- 運転免許証やパスポートをもつ人にとって,住基カードは無用の長物である。
いろいろ意見するのは自由だが,一通り読んでも上っ面の話だけで,説得力に欠ける。住基ネットに関して,私は中立のつもりだが,こう云う “ただ騒いでいる” 系のアンチはさすがに気持ち悪い。
- ソースの提示がない
- 最初の段落で
ネットで検索していたら、去年の記事でこんなものが見つかった
と云っているが, 肝心の “こんなもの” の所在が示されていない。ネットで見つけたものなら,まずリンクを貼るべきだろう。記事を読んだ人に,わざわざ元ネタを検索しろとでも云うのだろうか? 意地悪な人なら “脳内ソース乙” と云いかねない。 - 各主張の根拠がない
- 1の理由が2-4だと云いたいやうだが,それを裏付けるデータが全く提示されていない。住基カードの普及が進まない理由の1つをPR不足のせいだとするなら,住基カード未取得者を対象としたアンケートの結果でも載せればいい。そこで “それって美味しいの?” と云った回答が上位に入れば,主な理由に挙げられるだろう。ひょっとしたら元記事には,詳細なデータが載っていたりするのかもしれない。が,元記事が示されていないのでは,この話をどこまで信用していいのか全く判らない。“どっかのスレから,てきとーに拾ってきたんぢゃね?” と勘ぐる人も,少なくないだろう。
- セキュリティ面の不安
- なにやら住基ネットだけが,特別にでかい脆弱性を抱えているかのやうな云い回しだが,これも根拠が示されていない。
個人情報漏洩の危惧がある
のは,個人情報を保存しているシステムならどんなものでも同じである (コンピュータ化以前の非電源系台帳だって,盗難や中の人々の悪事と云った危険にさらされているのだから!)。“住基ネットを導入したら,いままでなかった脆弱性がこんだけ増えましたよ〜” と具体例を挙げ,それが他のシステムとどう違ってどれだけ危ういのか示せばいい。 - 運転免許証,パスポート
- “これらを持たない人なんて滅多にいない” と云いたげだが,実際はどうだろう? 運転免許証を取得するには,所定の講習を受け,筆記・実技両面の試験に合格する必要がある。それには¥100k単位の銭と,まとまった時間が必要だ。パスポートの取得は,運転免許証の取得よりハードルこそ低いものの,全部で¥30kほどかかる。自動車を運転せず,海外へ行くこともない人に,これらを取得しろと云うのだろうか? 身分証のためにペーパードライバになっていた人々にとって,わずか¥500で取得できる顔写真つき身分証は,救世主だったのではなかろうか (かくいう私も,その1人である)。“自分には運転免許証があるから,住基カードなんてイラネ” と云うのは勝手だが,周りも皆同じであるかのやうに決めつけてはいけない。
そして極めつけは,最後の段落。まるでどっかのスレに粘着し,でたらめをさんざん書いた挙げ句,周りからのツッコミに反論できなくなってケツをまくるやうな表現だ。“言及しない” のではなく “言及できない” のでは wwwww?